立ち食いそばの歴史・江戸時代からのファストフード
立ち食いそばのルーツは、江戸時代。夜、江戸の町でそばを売り歩いていた夜鷹そばまでさかのぼれます。江戸時代の食事は1日2食だったため、夜になってお腹をすかせた、宵っ張りの江戸っ子に大人気だったのです。
そして時は流れて1960年代後半、製麺技術が発達し、温めるだけで食べられるゆで麺が開発されたこともあり、立ち食いそば店は一気にその数を増やします。その背景には高度経済成長期を迎え、都市部の労働人口が増えたことがありました。忙しく働く人々にとって、手早く食べられ、安く美味しい立ち食いそばは欠かせないものだったのです。
そして現在、ハンバーガーや牛丼に押され、いささか影の薄くなっていた立ち食いそばでしたが、ここ最近、注目を集めるようになりました。その要因は早い、ヘルシーさ。ハンバーガーや牛丼と違い、そばは肉を使いません(一部のメニューをのぞく)。そしてそばは野菜を使ったメニューがたくさんあります。立ち食いそばで一番人気のメニューはかき揚げそばですが、これには玉ねぎ、ニンジン、春菊、ネギ、ごぼうなど、たくさんの野菜が使われています。早い安い美味いに加え、健康的な立ち食いそばは、今も昔も働く人たちを支えているのです。