2013年オープンながらゆで麺にふかふか天ぷらという、
東京スタンダードな立ち食いそばが食べられる『稲浪』。
それもそのはず、もともと仕出し料理の会社をやっていた店主さんは、
このお店を始める時にそばの作り方を九段下の名店『むさしの』の店主さんに教わったのだ。
少し薄口にしたというツユは、色ほど濃くなくむしろ柔らかいお味。
立ち食いそばのツユ、というよりは和食で使われるツユのイメージに近い。
これに柔らかいゆで麺の組み合わせが、
なんだかホッとさせてくれるのだ。
人気なのは素干しえびかき揚げそば(370円)。
ふわっとした天ぷらにかぶりつくと、
口中に広がるえびの香りがたまらない。
ツユの美味さが引き立つのは、なにより冷やし。
通常のぶっかけのように濃いめのツユを絡めるのではなく、
普通に飲めるツユをたっぷり盛ってくれる。
これがなんともいえぬいい塩梅の美味さで、
ごくごく完飲してしまいそうになる美味さなのだ。
そして太巻きも忘れちゃいけない。
このビジュアルを見て九段の「むさしの」を思い出す人も多いだろうが、
あれはもともとここ稲浪の店主さんが納入していたもの。
いってしまえば、こちらがオリジナルなのである。
甘いかんぴょうがたっぷり巻かれ、
こいつとそばツユとの相性は抜群だ。
さらにこの店で特徴的なのが、
数々のオリジナル調味料。
七味に一味、粗切り唐辛子は言うに及ばず、
「辛さ控えめ粗切り唐辛子」に、
「生おろし生姜」「ドライおろし生姜」「ドライ紅しょうが唐辛子」と、よりどりみどり。
個人的にはたぬきに「ドライ紅しょうが唐辛子」が好きなのだけれど、
どうだろう?
天ぷら類もその日によっていろいろ新顔があるのも嬉しい。
これは明日葉天そばだが、
こういうイレギュラーメニューがあると、
「今日はなにかあるかな?」とワクワクできて常連にはありがたい。
ちなみに営業時間は午後5時までだが、
午後2時にはほとんどのタネがなくなってしまうので、ご注意を。
稲浪
東京都新宿区新小川町5-8
営業時間=月〜金6:00_17:00
定休日=土日祝日